城上(きがみ)神社

城上(きがみ)神社

 城上神社は、大物主命を祀る神社で、石見銀山の安全と繁栄を願う、大森の氏神さまです。もともと仁摩町馬路の城上山にあったものを、1434年、大内氏が川向かいの愛宕山に移し、さらに1577年に毛利氏がこの地に移したとされており、銀山の支配と関係しながら、その場所が移動されてきました。当時の社殿は町内の大半を焼失した1800年の大火で焼失し、現在の社殿は、1815年に再建されたものです。

境内には、樹齢100年以上という椰の木、黒松・赤松一体となった相生の松があるほか、珍しい伝承を持つ亀石が置かれております。

拝殿は県指定文化財に指定されており、重層入母屋造りとなっています。これは、正面の屋根が2重になっているもので、上側は和風の千鳥破風(ちどりはふ)、下は唐風の唐破風(からはふ)という珍しい様式です。

拝殿の天井は格子状の格天井(ごうてんじょう)となっており、その真ん中には、三瓶山麓志学の絵師梶谷円隣斎守休(えんりんさいもりやす)による鳴き龍、その周りには、再建に際して寄進した地役人、豪商、郷宿などの家紋が描かれています。鳴き龍とその周りに家紋を配すことにより、再び大火が起こることがないようにという願いが込められていると考えられます。鳴き龍の下で、拍手を打つと、不思議な音が聞こえてきます。

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